扉 4 (P☆snapshots 193)

 
 
きみは、『ぼくのため』と知ったとき どう感じたの?
嫌な気持ちに、ならなかった・・?
 
 

 
 
 
 
嫌だと思ったことはないよ。
 
なぜなら、きみもレオも、
ぼくに きみと寄り添って生きることを望んではいなくて、
ただぼくがいることを 喜んでくれていたから。
その気持ちがいつも 伝わっていたから。
 
 

 
 
 
 
良かった・・*
 
ルーポ。 ぼくは、分かったよ。
『役割』も、実は、複層的に存在する人生の一部分で、
何を抱えるか、どう抱えるか、・・抱えないことさえ、選ぶのはぼく自身だったんだ。
 
 
 

 
 
 
そうなんだね・・。
 
ぼくも、分かったんだ。
あるひとが’理不尽’と言い、また あるひとが’孤独’と言い、’違和感’と呼ぶもの。
それらはきっと、同じものなんだ。
そして、希望の道を 知らせてくれるものなんだ。
 
 
 
 

 
新月の、暗く深い空。 新しい始まりの夜空。
その日が 近づいている・・。
 
 
 
 

 
 
 
たくさん 語り合おう。
重くて暗い、大切なことこそ、ゆっくりと。
 
 
 
 
 
***  ***  ***
 
 
- 気付けなかったけれど・・
 
 

 
 
 「お留守番と、
  バブルのこと よろしくね。」
 「ああ。」
 

 
 
「カズキ。 星を ・・探してくれ。」
「分かった^^☆ 東京駅で撮ってくるね。」
 
 
- 何を指しているのかも、分からないけれど・・
 
 
 
 
・・それでも。
 
 
 不思議と 見つけられる気がする。
 
 
 
 
 

扉 3 (P☆snapshots 192)

 
 
依存心を刺激しない 真摯で誠実な音楽。
捉われずどこまでも入り込んでいける 深く豊かな世界観。
 
彼の作品は、ずっと変わらない・・。
 
 

 
 
 
『fullmoon』。
あの家で見上げた 数々の満月。
 
 
 

 
 
七色のひとは、オレを 同じ’月’だと言った・・・。
 
 
 
 

 
 
オレを慕って どこにでもくっついてきた、
無邪気で人なつこい テディベアのレオニード。
 
恐れを抱きながらも、孤独に向き合おうと もがき続けていた おまえには、
既に充分に、力が備わっているのだ。
 
闇を認めて 光は放たれる。
 
どうか、笑顔で生きていって欲しい・・。
 
 
 
 

 
 
『andata』。
往復、というのか・・?
 
USBの姿でポラリスに行った後、毛糸のベアの姿で帰ろうとしたときには
さすがに恐怖を抑えられなかったが・・
必ず帰りつくのだと、必死で探し出した 強い願いが 今へと繋がっているのだから、
人生とは、不思議なものだな・・。
 
 
 
そう・・ 不思議といえば、今朝の夢だ。
庭のジャスミンに顔を近づけすぎて、ソファのへりから転がり落ちるレオニードを
なぜか、リリさんが助け上げていた。
 
 
 
・・なぜだろう。
音楽のせいか、今日はさまざまな思いが脈絡なく浮かび上がってくる。
 
 
 
 


 
  ♪~♪
 

 
 
チャイム・・・?
 
 
誰だろう。
彼らはまだ戻っていないのだが・・・?
 
 
 
 
 

async

 
 
asyncとは、非同期、同期しないこと、という意味だそうです。
 
 
今年の3月末に発売された、坂本龍一さんのアルバム『async』。
ITの用語でもあり、シュンが喜んでいました^^*
 
ちょうど、直前の4月19日(水)の『クローズアップ現代+』に
坂本さんがご出演されていたことも、素敵な偶然で、
「私の今年の誕生日プレゼントにしよう・・*」と勝手に嬉しく思っていました。
 
 
 

 
 
私が本当に必要としているのは、
音楽や物語そのものよりも むしろ、
それらが浮かび上がらせてくれるもののほうなのだと、
坂本さんの音楽を聴くたびに感じます。
 
自分を取り巻く世界の捉えがたい輪郭と、
自分だけの閉じられた世界で 覚醒を待っている意識。
私には、形にも言葉にも することが難しいもの。
 
坂本さんの作品は、だから 私にとって とても大きな、大切なものです。
 
 
 
『クローズアップ現代+』で、
坂本さんにとって アルバムの中で最も愛着がある曲として紹介されていた『fullmoon』は、
私のいちばん好きな曲『The Sheltering Sky』(ピアノバージョンが好きです)の、
映画に出てくるせりふを引用していることを知り、そのことも嬉しかったです。
映画は20代の頃にビデオで一度観たきりでしたが、
「シェルタリング・スカイ」という題名と、その音楽が ずっと好きです。
 
当時、’Sheltering’とは、「覆い隠す」なのか「守ってくれる」なのか、
実際はどちらの意味を意図しているのだろう、と考えていました。
大人になった今は、きっと混在しているのだと思います。
 
 
 
元気なお姿を映像で観ることができて、安心しました。
「自分に嘘偽りなく」私も生きていきたいと思います。
 
 
 
 
 
*NHK『クローズアップ現代+』の、坂本龍一さんが出演された回はこちらです。
 
 
 
 
 

扉 2 (P☆snapshots 191)

 
 
・・そうか。 ぼくは、
 
ずっと、「だいじょうぶ」って思っていたんだ。
ずっと、’忘れていたかった’んだ。
 
ポラリスでの ぼくのこと・・。
 

 
 
 
 
もう、思い出せないくらい ずっとずっと前のこと、
カズキが、きれいなおひさま色の毛糸で ぼくを作ってくれて、
シュンが、柔らかく優しい色のクーピーで、ぼくの遊園地を描いてくれた。
 
ふたりは ぼくのことが大好きで、いつも ぼくを抱っこして、
嬉しそうにぼくの話をしていた。
 
 
遊園地はやがて、ぼくが仲間のベアたちと暮らす『星』になって、
ぼくは、ポラリスと名付けられたその星を守る、『太陽』になった。
 
 

 
 
 
ポラリスでのぼくは、
森も花畑も川も橋も、学校も図書館もグラウンドも、
そして、鳥もちょうちょも、ベアたちさえも、
思い浮かべるだけで 創り出すことのできる、唯一の存在だった。
 
星のみんなが 楽しそうに暮らしていたから、
ぼくは嬉しかったし、誇らしかった。
「もっともっとがんばろう」と、思った。
 
 
けれど・・・
 
 

 
 
そう、ぼくは 全く同じ理由で、「大丈夫」って思ったんだ。
心の深いところにある『太陽であり続ける』ことへの違和感から、
目をそらしたんだ。
 
 
 
そして、
いつしか黒い影のようなものが 離れなくなってしまったぼくの心は、
あの日のシュンの呼ぶ声にすがって、答えを託して・・・。
 
 
 
 
ああ・・・。
 

 
やっと、分かった・・。
 
ぼくは、助けるつもりでいながら、助けを求めていたんだね・・。
心に蓋をして、たくさんの気持ちを止めたまま。
 
 
そして、
 
そんなふうに 自分が分からなかったぼくだから、
大切なひとたちのことも 深く感じられなかったんだね・・。
 
 
 
 
ぼくは、変わりたい。
 
大切なひとたちのことを、世界のことを、ぼく自身のことを、
もっと深く知りたい。
 
 
変わりたい。
 
変わりたいよ・・。
 
 
 
 
 

外の世界で 4 (P☆snapshots 190)

 
 
どうして、カイトのことを「怒っている」って気づいたことで
ルーポを作ったことを 思い出したのかというと・・
 
初めて ‘怒った’から・・?
 
 

 
 
 
そうかもしれない・・。
 
ぼく、それまではずっと、だれかに怒ったりなんかしないって 思っていた。
なのに、ほんとは 怒っていたんだ。
それって、ぼくが自分の「怒る」気持ちを 途中で止めていたって意味だよね・・。
 
 
 
じゃあ、もしかして、
好きだなぁ、すてきだなぁって いっぱい思ったのに
ぼくが知らないだらけだったのは そのせいなの・・?
 
「怒る」気持ちを止めたせいで、
「好き」とか「すてき」って気持ちも、止まっちゃったってこと・・?
 
 
だとしたら、「怒る」って 大事なことなんだ。
知らなかった・・・。
 
 
 

 
 
他にも 怒っていたことを思い出したほうが いいのかな。
 
ぼくが いやな気持だったこと。
ほんとは いやだったこと。
 
 
 
・・出てこない。
難しいな・・・。
 
 
 
 

 
 
でも、あの感じ・・。
「ぼくはだいじょうぶ」って、自分で思った あの感じなら、
前にも あった気がする。
 
ぼくは前にも、「だいじょうぶ」って思おうとしたことがある気がする。
 
 
 
 

 
 
いつだろう・・・?