外の世界で 3 (P☆snapshots 189)

 
 
ちゃんと、考えるんだ・・。
 

 
 
まず、
ぼくがどうして ここにいるかというと、
竹くんが 連れて来てくれたから。
 
そして、
どうして 竹くんが連れてきてくれたのかというと、
ルーポが戻ってきて、ぼくが ルーポを作ったことを思い出したから。
 
どうして、思い出したのかというと、
ぼくの気持ちを 考えたとき に、
本当は、カイトに怒っているってことに 気がついたから。
 
 
 
 

 
 
どうしてカイトのこと、怒っていたかっていうと、
カイトが、何も言わずにいなくなったから。
しかも、それが2回目だったから。
 
どうして1回目は「いいよ」って思ったのかというと、
・・・ううん、思ってはいなくて、
カイトにも、カイトの理由があると考えたんだ。
ぼくの理由で、カイトをしばっちゃいけないもの。
 
 
でも、カイトの理由は仕方がないけれど、
ぼくがいやな思いをするのは’仕方がない’ことじゃ、ないはず。
カイトだって、カイトの理由で、ぼくをしばっちゃいけないもの。
 
じゃあ、どうして1回目のとき、
ぼくはカイトにちゃんと言わなかったんだろう・・・?
 
 
 
 

 
 
・・・そっか、
「ぼくはだいじょうぶ」って、ぼくが思ったからだ。
 
だって、
にこにこしていたら、
シュンにもカズキにもみんなにも、心配かけなくていいし、
強くてがんばりやさんなぼく、って思えるし、
すごいって、いい子だって思ってくれるヒトも、いるかもしれなくて、
もっと好きになってくれるヒトも、いるかもしれない。
それは、怒ったり、悲しんだりするより ずっとすてきだと感じた。
だから、「だいじょうぶ」って思ったんだ。
 
 
 
実際に、1回目のときは、
カイトが、毛糸のベアになって戻ってきてくれて、
カイトにとって良いこともあったと分かったから、それで良かった。
 
 
でも、2回目のときは・・。
 
もういちど、「だいじょうぶ」って思おうとしても、できなくて、
みんなが心配して気遣ってくれても、元気になれなかった・・・。
 
 
 
 

 
 
どうしよう・・ 
考え続けると、悲しい気持ちばかりが出てきちゃう・・。
 
いやな気持ちのことを深く考えるのは、つらいことなんだね。
ぼくはもしかしたら、このつらさも感じたくなくて、
「だいじょうぶ」って 思い続けたのかもしれない・・。
 
 
 
でも、ぼくは今度こそ、
これまでのぼくの気持ちを ちゃんと考えるよ。
 
 
大切なことだから。
 
 
 
 
 
 
*『外の世界で 2』はこちらです。
 
 
 
 
 
 

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