Polaris のベアたちは「毛糸製」です。
1本~数本の毛糸から、かぎ針の、細(こま)編みでパーツを作り、
毛糸用とじ針と、ジョイントでつなぎます。『編み物のテディベア』です。
本日は、毛糸のテディベアについて、
「編み物の特性」という点からお話ししたいと思います*
布生地には、大きく分けて3つの種類があります。
(漢字は判別しにくいため、分類用語の「編物」を「編み物」と記載します)
この3つとは、
・織物 =たて糸とよこ糸を組み合わせて作るもの。
・編み物 =ループ(輪)に糸をくぐらせ、その連続で作るもの。
・不織布 =主に短い繊維を絡み合わせ、熱などにより接着させたもの。
で、このうち「不織布」は、フェルトが代表的なものです。
一見同じように見える「織物」と「編み物」の違いは、主に「伸縮性」の有無です。
スポーツ用の衣類を例にとりますと、
ウィンドブレーカー、コートが「織物」、
ジャージ、学校の体操服、ソックスが「編み物」となります。
「編み物」は、この「伸縮性」があって動きやすい代わりに、
風を通しやすく、寸法が安定しにくい、という特性があります。
「織物」はその逆です。
(近年は、スパンデックスを使用した伸縮性のある織物も作られていますが、まだ一般的ではないため割愛します。)
これらの特性と用途が考慮され、生地は選ばれています。
一般的なテディベアは、モヘアなどの生地を裁断し、縫製して作られていますが、
生地の多くは「パイル織物」です。レーヨンのボアなど「パイル編み物」もありますが、
製法上、伸縮性が少なく、寸法も安定した生地が使用されています。
一方、Polaris のテディベアは、毛糸の「編み物」です。パーツには伸縮性があります。
ベアの制作をはじめるにあたっては、この特性をどう扱うかが課題でした。
伸縮性があることの利点は、
*丸みをつけたり、などの整形がしやすいこと
*自然な、柔らかいポーズがしやすいこと
です(毛糸の種類によって、程度に差があります)。
例1:首をかしげて、
腕を広げています。
「久しぶりに、お仕事です~*」
例2:反対側にかしげて、
腕を丸めています。
難点は、伸びと通気性の良さによる形の崩れです。
生地が伸びると、胴や頭が長くなったり、手足が左右非対称になったりして
見た目も美しくありません。そこで、試作を重ねまして、
1.かぎ針を毛糸の指定号数より小さくして、編み目を、より小さく引き締める。
(毎回、制作前に試編みで確認します。)
2.綿詰めは、編み目が開かない程度までとし、軽めの仕上がりにする。
3.重みで編み地が伸びて、くたっとする状態を避けるため、
首にはジョイントを入れずに、手足のみの4ジョイントとする。
この3点が、効果的であることがわかりました。
通気性については、綿が吸湿し、へたってしまう可能性がありますので、
湿気のある洗面所や、冬の窓辺などは、避けていただきたいです。
(へたってしまっても修理は可能ですので、お気軽にご連絡ください^^。)
このように、普通のテディベアとは、素材、制作方法、仕上がりが異なりますが、
編み物独特の表面感、毛糸ならではのぬくもりをお伝えできれば、と思っています・・*
おしまいに、番外編として、
毛足の長いベアの、毛の出し方をご紹介します。
2012年8月掲載の「毛が伸びる?!(毛糸のテディベアのお話(1))」以降
ご質問もいただきました。 こんなふうにしています。
編む際に入り込んだ毛糸は、おおまかにはブラシでかき出しますが、
やり過ぎると表面感を損なってしまいますので、編み物用のとじ針でひっかけて出します。
時間はかかりますが、仕上がりのきれいさが違いますし、
シュっと糸が出てくる感じも楽しいので、つい、夢中になってしまいます^^。
Polaris のベアたちは、まだ年数の浅い、毛糸製のテディベアです。
疑問点などありましたら、お気軽にお問合せいただけましたら嬉しいです。
みなさまに安心して、おそばに置いていただけるよう、
これからも時々、ベアたちのことをご説明させていただきたいと思っています。
どうぞよろしくお願いします。
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いいにおいだな~*
「クリスマスのこれ、2つめだね?」
「すぐ飲んじゃったの^^*
・・レオも飲む?」
「ぼく、ぶどうジュースがいいな~♪」
*詳しくは、
このシリーズにて^^*
*「クリスマスのお楽しみ」もご覧ください*