カイちゃん、またね!

 
 


カイちゃんは、シュンの友だちです。

引っ越して間もない頃、
シュンと、自転車で川沿いを走っていたら、
前から、よく似た雰囲気の男の子が歩いて来たので、
思わず、自転車を止めました。

それが、クラスメートでご近所の、カイちゃんでした。

「・・知ってるの?!」
「うん、同じクラス・・」

それから、カイちゃんは、
うちへ遊びに来るようになりました。


近所にはほかにも、年の近い子供が多くて、
すぐに、みんなで缶けりやドロケイ、
ドッジボール、ビーチバレーボールなど、
日が暮れるまで遊ぶようになりました。



 大工さんが、子供たちのために
 作ってくれた「ひみつきち」。
 ダンボールや、めずらしい石などを
 持ち込んで、遊びました。



ふたりは、感性も似ていて、
だじゃれやおかしな絵を思いつくたび、
ノートに書いて見せ合ったり、
「SKチーム」と称して、
私から見たら摩訶不思議な
だじゃれマンガを作ったりして、
笑い転げていました。

本好きのカイちゃんが教えてくれる、
タンタンシリーズや、不思議図鑑系の本には、
シュンも夢中になりました。

また、雨の日の1時間だけOKの、
「星のカービィ Wii」にふたりでハマり、
カイちゃんが、家にランドセルを置くなり
傘も持たずにびしょぬれで走って来たこともありました。



 少ない雪を、
 みんなでかきあつめて作った
 雪だるま。



カイちゃんは、大家族で暮らしているからか、
いつも、相手を優先します。
お菓子も遊び道具も、一番最後に選びます。

興味の方向や言うことは、個性的で独創的なのに、
行動では、自然に人の和を考えることのできる子です。

私は、その姿がいじらしくて、
去年くらいまで、つい、いつも、
「また我慢していない? 大丈夫?」と、
世話を焼いていました。

そして、自分の子育てにも、とても勉強になりました。




そんなカイちゃんが、もうすぐ引っ越します。
お父さんの仕事の都合で、遠いところへ行くのです。

戻ってくるのは3年先か、5年先か。
もしかしたら、戻ってこないかもしれません。


「いじめられたら、いつでも新幹線に飛び乗っておいで。
駅まで迎えに行くから」と、私がカイちゃんに言った翌日、

「駅まで迎えに行くから、いつでも、新幹線で遊びに来てね」と
カイちゃんのお母さんが、シュンに言われたそうです。

仕事でお忙しい人でなければ、親どうしもきっと、
仲良しになっていただろう、と思いました。



お別れの日は、近づいています。
ふたりとも、乗り越えていって欲しいと思います。



カイちゃんが、新しい土地で、楽しく暮らせますように。
そしてまたいつか、会えますように。

カイちゃん、元気でね!
 
 
 
 
***  ***  ***
 
 










さくらピンクのベア』より

 
夜空のポラリス、こぐま座の星。
「幸せはいつも となりにいるよ」と
そっと、きらめいて教えてくれる。
遠くて近い、ぼくの ふるさと -。
 
 
 
 
 

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