カイトとユリちゃん2 (P☆snapshots 81)
あの日、シュンが届けてくれた船で、
オレはポラリスに到着した。
すご~い!
「宇宙船で行ったんだね* 」
「ぼくの船を改造したんだ。 さすがだなぁ!」
「1週間かかったが な。」
まったくの偶然だったのだが、
そのとき、ポラリスでは問題が起こっていた。
月が突然、輝きを失ったというのだ。
花が咲かないとか、
チョウが光らないとか、
湖が干上がってしまう、などと、
住人たちはみな、不安げに話し込んでいた。
見上げているうち、オレにはその原因が分かった。
月の周囲に 黒いガスが立ち込めているのだ。
- 光線銃で、ガスを散らせばいい。
そう教えてやったのだが、彼らの世界には、武器がないと言う。
そこでオレは、昼間の光を、
持ってきた武器の、星のセンサーに集めて貯め、
月に向かって放てば良いと、考えた。
「わあ、すごいなぁ!」
「かっこいい~*」
確か、3日目の夜だったと思う。
ガスは消え去り、月は本来の輝きを取り戻した。
そして、オーロラのような、不思議な柔らかい光を放ち始めた。
住人たちは たいそう喜び、オレを好意的に迎え入れてくれた。
ポラリスには、森と、湖と花畑、そして町がある。
それぞれが、非常に広大な土地なのだが、
彼らは、空間を飛び越える能力を持っているらしく、
瞬間移動のように、身軽に行き来していた。
オレは、すべての土地に招かれ 歓待を受けた。
それぞれの場所で出会いがあり、友情も生まれた。
そのひとりが、彼女だ。
月が輝きを取り戻したことで、
大切なユリの花が生き返って嬉しいと、
はにかんだ笑顔で話しかけてきた。
不思議な光を放つひと。
控えめだが 芯が強い、そんなひとだ・・。
*「P☆snapshots82 -カイトとユリちゃん3-」に続きます。
(前回「P☆snapshots80 -カイトとユリちゃん1-」は、こちらです。)
*「小さな願い」は、こちらです。
*** *** ***
赤組、負けました・・。
「あれっ?
今年はだいじょうぶ?」
いいんだよ、泣いても。
「なんというか、
すがすがしい気持ちなのだ・・。」
組体操、すばらしかったものね・・*
(昨年の様子は、こちらにて~^^☆)