そして、カエルくんは心を決め、コンちゃんに伝えました。
私は これまでずっと、
美しい宝物たちを集めては眺めることで
満たされていると思っていました。
しかし本当は、深く関わりたかったことに気づいたのです。
自分にとっての、いちばんの宝物を見つけて。
その輝きを守ったり、
さらなる高みへ向かう手助けをしたり、
つまり、まっすぐ丁寧に、向き合いたいというのが、
私の本当の願いだったのです。
ただ そうするためには、ここに留まれない。
あなたと暮らすことが、できないのです・・。
コンちゃんは、静かにうなずきました。
「きみが決めたことを、ぼくは ずっと応援するよ。」
初めてきみが来てくれたとき、
ぼくの心は、ある 後悔でいっぱいだった・・。
そんなぼくの中の 孤独のようなものに、
きみは 反応してしまったんだ。
たぶん、ひとりで旅を続けてきたきみも、
孤独を抱えていたのだと思う。
だから、何度も来てくれたし、
ぼくを救いたいと、同じ姿にまで 変わってくれた。
そして、きみがぼくを、ぼくがきみを知る中で、
ぼくたちはお互いに、
自分を見つめる勇気が出来てきたんだね・・。
キャンディー*etoffe のベアは理解しました。
2つの赤い月、それは
光のない、暗く淋しい夜に浮かび上がる「鏡」だったのかもしれない・・・。
「来てくれて、ありがとう。
きみのおかげで、宝物を
たくさん見つけられた・・*」
ぼくはここに留まるよ。
「彼」を守れなかった後悔は消えないし、
漂うばかりの、受け入れるばかりの 向き合いかたしかできないぼくだけど、
否定するんじゃなくて、新たな違う力を加えながら、ぼくなりに愛していけばいい。
そのことを、きみが教えてくれたんだ。
「それは、私もです・・。
あなたに出会えて、
あなたの心を見つめることで、
大切なものとの
向き合いかたを知ったのです。」
救われたのは、私も同じこと。全ては、私自身のためでもあったのです・・。
「楽しいことが、たくさんあったね。」
「ええ。優しさとあたたかさに満ちた、すばらしい日々でした・・。」
- 元気でね。ずっと。
- あなたも。
*** *** ***
「よかったねっ☆」
「うん・・*」
良かった。 ・・・本当に。