『やさしい訴え』と料理の勉強3

 
 
夏休みに入る少し前、シュンが
小川洋子さんの『博士の愛した数式』に興味を持ったので、
夏休みの読書にと探したのですが、見つかりませんでした。
 
そこで、実家に置いてきた本の中にあるかもしれないと思い、
探してもらいましたが、やはり出てきませんでした。
 
 
かわりに見つかったのは『やさしい訴え』、
1996年に出版された小説です。
カリグラフィー、レンブラント、チェンバロなどの
美しいものに彩られた、恋愛の物語でした。
 
 
今週それを受け取り、古い帯を見ていたら、
当時のこと、書店で手に取ったときに 隣にいた人のことと、
主人公の瑠璃子に自分を重ねるようにして読んでいたことを
思い出しました。
 
そのころの私は仕事に夢中で、恋人を失いかけていました。
「強くて前向きなカズキが好きだけれど、彼女といるとほっとするんだ・・」と、
苦しそうに彼は言いました。彼女は、私たちの共通の友人でした。
 
「関係を壊したくない」と彼は言いましたが、
私が、「安らぐ相手といるべきだよね」という結論で押し切りました。
若くて、今よりもずっと強がりでしたし、
いつか失うなら、自分で断ち切る方がましだと思いました。
 
 
それから17年、
あの頃には考えもしなかった人生を、選んで生きてきました。
そして再び読み返し、
大人になったからか、辿ってきた道からか、
今回は、登場人物たちのことを より深く理解できる気がしました。
 
それぞれに抱え、背負ってきたものの重み。
今このときに必要な関係性。
受け入れ、経ていくことでしか、次へ向かえないということ。
痛いほど反芻しながら読みました。
 
 
「本が呼ぶ」のだと、読書好きの友人は言います。
前回と今回では、得たものは違っているけれど、
どちらにも、必然性があったのだろうと感じました。
 
 
シュンには、文庫本を買いました。
今のところ、3分の2ほど読み終わっていて、
夏休みの読書感想文の候補にしているそうです。
小学生のシュンは、ルートの視点で捉えているのでしょうか。
どんな感想になるか、楽しみです。
 

 
カメラが見つかりました。
『密やかな結晶』など、この頃の装丁も好きです。
 
 
 
 
***  ***  ***
 
夏の料理の勉強、3週目の今週は「目玉焼き」も練習しました。
土井さんのご指定は、鉄のフライパンです。
我が家には『極くん』がいるので 何度も作っているのですが、
改めて油の量、どれくらい焼けば良いかを本の通りにしたところ、
白身がふっくらした、おいしい目玉焼きになりました。
 
「ゴーヤーチャンプルー」は、お盆だからか
いい豚肉が見つからなくて、鶏ささみで代用したのですが、
今回は上手にできました。
ゴーヤーがみずみずしいまま仕上がるところが好きです。
 
来週は、いよいよ最終週ということで、
「洋風ちらし寿司」を作ろうと思います^^♪
チャービルとディルも入れるので、
どんな味になるのか、とっても楽しみです。
 
 
 
 
 
 

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