桜を待つ日々2 (P☆snapshots 175)

 
 
2013年春のあの日。
彼やバブルのようにポラリスの機能をコントロールする役割を持たないぼくは、
レオニードを追ってポラリスを飛び出した瞬間、行き場を失った。
 
必死に動き回り、叩き続けてようやく見つかった隙間から入り込んだところが、
2012年の夏のおまつり」の直前だった。
 
この家が、普段は何重にも閉じられていて、
ベアたちのおまつりの頃にだけ緩められると知ったのは、
ずっと後になってからだった。 
 
 

 
 
 
ようやく再会したレオニードは、
どういうわけか、ポラリスでのことをすっかり忘れていて、
自分を、ポラリスからこの家への’案内人’だと告げ、
ぼくが来たことを喜び、親し気に「コンちゃん」と呼んで、
「『運命のひと』に出会えますように。」と言った。
ぼくは、わけが分からなくなった。
 
 
 

 
 
ぼくが、自分が来たことによる 良くない影響を確信したのは、
‘二回目の’2013年の春、カイトさんがベアとして戻ってきたときだ。
 
そこでやっと、
ぼくが、開けてはならない扉をこじ開けて入ってきたために、
カイトさんが、’USB’として過去へ行き、
ぼくに続いてポラリスを出てきたバブルに 特別な回路を開き
ポラリスへ渡って発生した問題を解決し
ユリちゃんの助けを借りて「最初の」ベアの姿で戻ってきたのだと理解した。
 
 
 
 
なぜ、冷静になれなかったのか。誰にも相談できなかったのか。
そして何よりなぜ、レオニードの心を救えなかったのか。
今なら分かる。
 
それは、ぼく自身が 誰のことも信じていなかったから、なんだ・・。
 
 
 
 
*前回のお話は、こちらです。
*次回のお話は、こちらです。
*コンちゃんが昨年自分が来たときのことを語った『P☆snapshots 163』はこちらです。
 
 
 
 
 
 

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