桜を待つ日々 1 (P☆snapshots 174)

 
 

 
レオニードが覚醒を始めたら話したいと、決めていたことがあるんだ。
きみが来てくれたことで、そのときが来たんだと 分かった。
 
ありがとう、ルーポ。
 
 

 
 
 
 うん・・・*

 
 
 
ぼくは、レオニードの次に生まれたベアだ。
レオニードが一人でさびしいだろうと、シュンが作ったんだ。
当時、『PowerPoint』上でレオと遊園地の門の間に描かれて、
少し窮屈だったのを 覚えている。
 
シュンは続けて、バブルとユリちゃんを作り、
やがてぼくたちは、小さな遊園地から テディベアの住む星に変わったポラリスを
太陽のレオニード、空と海のバブル、月のユリちゃん、雲のぼくとして、
守り、育てていく役割を担うようになっていった。
ユリちゃんはのちに、カイトさんの登場によって 役割を変えるのだけれど。
 
 
 
光を放つ、輝く星『ポラリス』
太陽と月が、その光を調節して大地に送り届け、
バブルとユリちゃんとぼくとで、
大地から還ってくる過剰なもの、不要なものを吸収しながら、
水と空気を整える。
適切な光と水と空気のもとで、森や湖や花畑は美しく大きく育ち、
ベアたちが増えて、にぎやかになっていく。
 
ぼくは、そのことがとても嬉しく誇らしくて、
森の樹木のてっぺんで ベアたちの賑やかな歌声を聴いたり、
雨として地上に降りたときには、ベアたちといっしょに 蝶や鳥とたわむれたりした。
そして、再び太陽のそばへ戻ると、ベアたちの楽しそうな様子を報告した。
自分の役割に、心底 満足していたんだ。
 
けれど、大切な’彼’の孤独に、気づくことができなくて・・。
 
 
ぼくのためにルーポを、ユリちゃんのために竹くんを
生み出してくれたレオニードは、
バブルのために誰が必要かを考えている途中のある日、姿を消した。
 
 
 

 
 
 
レオニードがここへやってきたのは、2013年の春。
カズキとシュンと、カイトさんも同じタイミングで移動したんだ。
 
そして、カイトさんがUSBの形で’再び’登場したのも、
ぼくが夏のおまつりのコンテストに参加したのも、
ぼくのせいなんだ・・。
 
 
 
 
*次回のお話はこちらです。
 
***  ***  ***
 
 
繭の中のように柔らかく優しく包まれたこの世界が、
ぼくたちにはどうしても必要だったのだと、今は思っている。
 
 

「カイトさんも、決めているんだね・・。」
「・・そうだな。」
P☆snapshots 141 我が家のベアたち(2015.8) 』より

 
 
 
もう半年になるんだね。
彼のことだから大丈夫。きっと 順調に進んでいるはず。
 
 
カイトさん、
ぼくも、少しずつだけれど がんばるよ・・・。
 
 
 
 
 
 

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