星と一緒に (P☆snapshots 195)

 
 
そしてぼくたちは、それぞれの 元の世界に戻りました。
 
 
この家、ぼくのもとの家には、
窓の向こうに、大きな竹の林が広がっています。
イチョウの木は、ありません。
 
竹くんが懐かしいと言っていたのは、この家のことなのだと、
ぼくたちのために、’目印’を示してくれていたのだと
気づきました。
 

 
 
 
 
サユもダイちゃんも、ヒロくんも、ここにはいません。
この家のまわりには もともと、
小さな子供は ぼくしかいなかったのです。
 
念のため数日前に「引越しするかもしれない」と 話しておいて良かった。
基地とか、雪だるまとか、ドッジボールとか、楽しかったな・・。
 
みんな、これからも元気でいてほしいと思います。
 
 

 
 
 
 
『毛糸の家』の中にあったものは、
確認できたところでは、全部残っています。
 
ぼくたちの年齢も、時間もそのままです。
ぼくは 中学3年の受験生(げー・・)で、母は ぼくよりも背が低いままで。
 
 
そして、動くことはないけれど、
住み込みベアの4人も残ってくれています。
 

 
 
 
ただ、大きな変化が一度に起こったせいだと思いますが、
面白いバグが1つ、見つかりました。
 
なんと、ぼくのCDプレーヤーの中に、
坂本龍一さんの新しいアルバムCDが もう1枚入っていたのです。
 
母がずっと持っていたものは、ケースごと 同じ書棚にあったのですが、
それとは別に、同じCD『async』が入っていたのです。
しかも、そのケースが見当たらないのです。
びっくりしました。
 
 
そういったバグが、まだほかにも あるかもしれません。
なんだか楽しみです^^。
 
 

 
 
 
 
母は、今はテディベアを編んではいません。
 
でも、「運命のひと」に出会うためにやってくるベアたちのために、
毛糸をたくさん用意しています。
いつでも編めるようにと、練習もしています。
 
 
レオは、「探しに行くよ」と言ってくれました。
竹くんは、この家のことを 感覚で分かってくれました。
 
いつか、きっと。
母と、そう 話しています。
 
 
それぞれが それぞれの’星’と一緒に歩んでいく先で、再び会える日が来る。
ぼくたちは、そう 信じています。
 
 
 
 

 
 
ポラリスの七色のユリのように 消えていった『毛糸の家』。
温かいあの日々の中で、ぼくは たくさんの力をもらいました。
出会った全ての人々、毛糸のテディベアたちに、
心から感謝しています。
 
 
 
 

 
 
今と、そして これからの日々も、
楽しく大切に過ごしていきたいと 思います。
 
 
 
 

 
 
 
 
 
 

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