扉 1 (P☆snapshots 188)

 
 
・・わかった。
 

 
 
レオは ‘回路’を、
ポラリスとこの毛糸の家をつなぐ道にすると同時に、
ベアたちが『運命のひと』と出会うときのために
ポラリスでの力を失わせる装置として、作ったんだ。
 
だから、回路を通らなかったぼくには、力が残ったんだ。
 
 
 
サルくんにシマトナくん、ガラスのカエルくんは、
もともと ポラリスと関係ないひとたちだから、使う必要がなかった。
 
そして、オブリビオンのベアと同じタイミングでやってきた竹くんも、
レオに呼ばれたフリをして キンカにくっついてやってきたツリーくんも、
ぼくと同じように、カズキに誕生日のベアとして作られたルーポも、
みんな、回路を通ってきてはいない。
 
当然、ファイアウォールだって すり抜けられる。
竹くんだけが戻ってこられたのも、そういうこと。
 
 
つまり、ぼくたちは、ポラリスに戻ることができるんだ。
 
 
 
 
 


 
 「バブルたちの話、
  聞いたよ、お母さんから。全部。」
 
 「・・そっか。」

 
 
 
ぼくたちを作ったシュンのことを、ぼくたちは 大好きで、
シュンは 愛情を込めて、ポラリスとぼくたちを作った。
 
 
 

 
「なんだか、申し訳なかったな・・。
ぼくは、みんなで楽しく暮らせると 思っていたんだ・・。」
 
 
 

 
「だいじょうぶ、わかってる・・。」
 
子供でありながら、’母親を助ける’役割を負わされてしまったシュン。
でも、好きなことを あきらめずに、がんばってきたことを
ぼくたちは 知っているよ。
 
一緒にいられて、楽しかった。
 
 
 
 
 
今なら ぼくにも わかる。
 
生まれていく理由も、役割も、選べないぼくたちは、
心からの納得や幸せを追い求めることで、その違和感を、孤独を 越えていけるのだろう。
 
 
・・そう、理不尽は、
怒りや悲しみを認め、自分の心に向き合うときに、’希望の種’へと姿を変えるんだ。
 
 
 
 
 
 

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