懐かしい場所

 
 
シュンが小学生の頃、インターネット関連のイベントに
付添いで何度か参加させてもらったことがありました。
 
私には 言語も技術も難しい、馴染みのない分野なので、
毎回緊張しながら いろいろなブースを回って、
最新の技術について教えてもらうのですが、
すごいなぁ・・!と感動しながら見渡す会場の景色に、
おまつりの屋台を見ているような懐かしさを感じることが、よくありました。
 
最新の小型カメラを載せて会場を舞う白いハトのロボットや
音に合わせて美しい映像を鍵盤に浮かび上がらせる電子ピアノ、
色とりどりの小さくてかわいらしいLED球、
盤上に精巧に張られた回路の つるっとした繊細なチューブ。
未来を作る技術というものは、新しさと同時に
懐かしい親しさを持っていて不思議だな、と感じました。
 
そしてそんなときに想像したのは、
もしも私たちが、過去にも未来にも生まれ変わり、
同時に平行に存在するいくつもの世界を渡り歩き、
常に歴史を書き換えながら永遠に存在し続けているとしたら・・ということです。
そうしたら、いつかいたはずの未来、知っていたはずの未知のものが
その証拠を、こんなふうに懐かしさとして示してくれるのかもしれないな、と。
 
 
今いるこの特別な世界は、私にとって、
そういうものでもあるかもしれない、と考えることがあります。
 
 
 
 
 
***  ***  ***
 
 
- お母さん、ぼくと一緒にいて。絶対に、いなくならないで。
 全部、良くなるから。 良くするから。
 
 

 
 
 ぼくとだけは、離れないでね。
   
 
 
 
 

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