『男をこじらせる前に』

 
 
「女子をこじらせる」とは よく耳にするのですが
男性も?・・と少し意外で予約した 湯山玲子さんの本。
今年1月に発売されたものです。人気で、2ヶ月ほど待ちました。
 

 
目次を公開しているサイトがないため 記載できませんが、
最初に村上春樹さん、最後に坂本龍一さんに触れて説明されているという章の構成も
大変興味を惹かれる、嬉しいところです^^*
 
 
 
思春期に入ってきたシュンと向き合っていくには
私自身が、自分の頃とは大きく変わってきている今の社会について知っていないと、
方法論だけでは説得力がないし、本当にシュンの幸せにつながるかの自信も持てない・・。
そう感じて、夏ごろから少しずつ、
上野千鶴子さん、山田昌弘さんの本を読んで 勉強させてもらっています。
 
湯山さんのことは、上野千鶴子さんとの共著
快楽上等!3.11以降を生きる(Amazonにリンクします)』で知りました。
それまでは漠然と、雑誌などでサブカルチャーを歯切れよく語る人、という印象でしたが、
言葉をたくさん詰め込んだ説明にも、きっぱりとした言い方にも愛情の深さが感じられて
素敵だな、と思いました。
 
 
今、半分ほど読み終わりましたが、
1つ1つが丁寧に書き込まれていて、読み応えがあります。
「村上春樹」「おぎやはぎ」「マツコ・デラックス」と
イメージしやすい人物と現象から語られているので、
実感としては分からない部分も想像でき、
今の時代の男の子、男性ゆえのしんどさが分かってきました。
また、女性にとっても考えさせられることだと感じました。
 
例えば今の時代は、
男女の差がさまざまな点でどんどんフラットになっている(P.68)一方で、
「女性全般に対する愛と尊敬」が根底にあるような愛情の持ち方が、
男性にはまだまだ難しい、だから苦しいということが こう説明されています。
概念だけでなく、この後 具体例が示されていくので分かりやすいです。
「母性社会と言われる日本だが、そこで理想とされる女は母親と同義語であって
息子のために自分の欲望を捨て、滅私で仕える献身的な、母のような女性にほかならないが、
その一方でその尊敬には常に裏腹の軽蔑がべったりと張り付いてもいるからだ。(P.100)」
 
思い当たるところはありますし、
長々と続いてきた家父長制や男尊女卑の考えから完全に離れるのは難しく、
無意識にも人を支配するのかもしれない、ということを考えます。
そしてそれは、私たち女性の側にも当てはまることのような気もします。
NOというよりもむしろ、積極的に受け入れてしまうようなところが
私にはあります。
 
この章では、今は 本当の意味で対等になっていく過渡期だから、
無意識なまま受け継がれ染みついた考え方と現実とのズレの中で
関係が上手く育めないことが多いのだ、と分かりました。
 
 
シュンにはどう育ってほしいか・・の考え方のヒントを増やしたくて読み始めたのですが
同時に自分についても考えながら読み進んでいます。
湯山さんの、愛情をもって伝えようとする思いの深さが随所に感じられて、
実は、Amazonの辛口レビューにひるんで^^;借りたのですが、購入することにしました。
好きな人の本は、そばに置いておきたいです・・*
 
 
 
大人、子供、父親、母親、男、女、など
「○○とはこんなもの」という、これまでならば当然とされてきた姿、役割が希薄になり、
それをまとうことなく、個人がむき出しの姿で世の中に対峙させられるのが
今の時代なのですね。
愛情関係は自分だけの考え方ではどうにもならないから
「型」がないことは、疑心暗鬼を生むことにもなり、時に苦しいです。
でもできれば、人と人とが本当に深く結び付くということを考えさせてくれる、という点で
幸せな変化であると、受け止めたいな・・。
 
そういうことも、湯山さんの明るいパワーに後押ししてもらえそうで、
楽しみにしながら読んでいこうと思います。
 
 
 
 
 
***  ***  ***
 
 
フェルト羊毛のふわふわ感が好きで、
時々小さなマスコットを作っていたのですが、
夏休みから、久しぶりに夢中になっています*
 
根気よく ちくちく刺していけば
小さなものから大きなものまで、
粘土のように自由に形を作れるところが面白いです。
 

 
この秋は、時間が取れそうなので
編み物以外の手芸も楽しみたいな、と思っています。
 
 
 
 
 
 

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